2024 年 11 巻 2 号 p. 35-44
目的:本研究は,産業看護職に最も近い立場で業務を行う労務・安全衛生担当者の産業看護職への期待を明らかにする.方法:A企業の労務・安全衛生担当者を対象に,半構造化面接を行った.その発言内容をオープンコーディングの方法を参考に質的解析を行った.結果:研究協力者は9名であった.分析の結果は,21の概念と12のカテゴリーが生成され,「産業看護職としての基盤」「個人アプローチ技術力」「組織アプローチ技術力」「産業保健体制の構築力」の4つのコアカテゴリーに分類された.考察:従業員個人への看護に加え,組織の課題を明確にし,解決できる力が期待されており,組織への支援は産業看護特有であると言えよう.結論:産業看護職を初めて起用し,安全衛生活動がより有効に機能した事業場の実例から,労務・安全衛生担当者は産業看護職に従業員個人へのサービスに留まらず,産業保健体制構築への寄与を期待する場合があることが明らかとなった.