2021 年 8 巻 1 号 p. 1-10
目的:本研究は,産業看護職が日々の保健活動のなかで直面する倫理的課題について文献検討を行い,その内容を明らかにし,産業保健活動における倫理的課題への対応について示唆を得ることを目的とする.方法:分析対象9文献から,産業看護職の倫理的課題が記述された内容について,コードを抽出し,質的に分析を行った.結果:【従業員へ公平な支援ができない,従業員の不利益が生じる状況において感じる割り切れない思い】【個人情報・プライバシー保護や守秘義務と会社の安全衛生義務とのバランスのとれた対応における苦悩】【産業看護職の専門性や存在意義に対する葛藤】【企業組織人と専門職業人の対峙によって生じるジレンマ】などの7つのカテゴリー,28のサブカテゴリーが構成された.結論:産業看護職の倫理的課題は,産業看護職の日々の保健活動に内在しており,困難感,割り切れない思い,苦悩,葛藤,ジレンマといった内容が示された.