日本視機能看護学会誌
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緑内障治療の継続率を高めるために必要な働きかけの検討
ACT Pack® 導入24 か月後の追跡結果を踏まえて
村上 佑里中嶋夏目上村前久保
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ジャーナル オープンアクセス

2022 年 6 巻 p. 10-14

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抄録

目的:緑内障治療における課題の一つに通院の自己中断が挙げられる。今回,治療継続率向上を目指し,医師の病状説 明,ファイルの配布(眼圧カード,治療スケジュール,家族へのレター),映像視聴,診察予約,再診リマインドからなる緑内障治療継続パッケージ(以下,ACT Pack®)を導入し,その効果を検討した。 方法:今回初めて緑内障と診断されACT Pack® を導入した33 名のうち24 か月治療を継続した30 名を対象に,治療継続率,アンケートを実施し治療への患者意識を分析した。 結果:治療継続率は6 か月100%,12 か月97%,24 か月91%であった。24 か月後に行ったアンケート調査でも,点眼への工夫や通院日の確認など治療への高い意識が続いていることが示された。 考察:ACT Pack® を用いることで疾患への理解や意欲的な治療参加につながる。また,看護師からの反復した説明や相談ができる機会の提供も治療継続や意識の向上につながったと考えられた。

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© 2022 日本視機能看護学会
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