2022 年 7 巻 p. 24-27
要旨 目的:局所麻酔眼科手術患者に対する閉所恐怖症スクリーニングとして実施した術前問診とドレープテストの実態を明らかにする。 方法:2017年1月1日から2018年12月31日までに,A病院で眼科手術を受けた患者を対象とし,閉所恐怖症申告の有無,ドレープテスト実施の有無と結果,術中閉所恐怖症発現により手術中止となった患者数について,診療録を用いて後ろ向きに調査し,記述統計を行なった。 結果:対象3191人中,術中閉所恐怖症により手術中止した患者は4人(0.13%)であり,そのうち,術前問診で閉所恐怖症を申告しなかった人は3人で,ドレープテスト陰性は1人であった。また,閉所恐怖症申告者は89人(2.78%),ドレープテスト実施者は55人(1.72%)で,陽性5人,陰性50人であった。 考察:術前問診とドレープテストは術中閉所恐怖症発現による手術中止予防に効果的であると示唆された。