自閉症スペクトラム研究
Online ISSN : 2434-477X
Print ISSN : 1347-5932
実践研究
問題行動を示す自閉症児A に対する施設内支援の検討
専門家のスーパーバイズを通して
横江 一志
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2016 年 13 巻 2 号 p. 25-35

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抄録

本実践は、専門家のスーパーバイズを通して、施設B 内での自閉症児A に対する施設内支援の方法について検討したものである。問題行動のあるA に対して、計画Ⅰでは適切な行動のレパートリーを増やしていくことを行動目標に置いた。結果、A は自分の洗濯物を自分で干すという行動を獲得し、同時に問題行動の減少も見られた。計画Ⅱでは、自分で選択し自分で決定することを行動目標に置いた。この中で、A はお手伝いをするかしないかを自分で選択しながら、適切な行動を増やしていくことができた。この取り組みを通して、施設B ではスタッフ間での支援の統一を図り、問題行動を捉える際のポイントを共有し、施設内での利用者の権利に対して再考する機会となった。

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© 2016 NPO法人 日本自閉症スペクトラム支援協会 日本自閉症スペクトラム学会
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