抄録
本研究は、共感的な集団活動を取り入れたレジリエンス向上プログラムを開発し、その効果を検証することを目的とする。まず、様々なレジリエンス要因が指摘されるなか、7つの要因に注目した。それらをもとに、日常の思考や行動を振り返りながら、レジリエンスの向上を目指すことのできるワークショップ型のプログラムを開発した。プログラムは4つのワークから構成され、それぞれ個人活動の後に集団活動を行った。プログラムの実施前後に行った調査の結果、プログラム実施後にレジリエンスに関する尺度の得点が有意に高かった。また、レジリエンスに関連するとされる自尊心、楽観性、自己効力感についても得点が高いことが示された。共感的な集団活動によって自己の新たな気づきと自信を得られることが示唆された。これらは開発したプログラムがレジリエンスの向上に寄与し得ることを示す。