抄録
我々は、2008年と2018年の2回、職種や興味有無に関わらず、約370名の全社員が一堂に集まる大規模なワークショップを実施した。ワークショップは全社員が創造技法の一端に触れながら、ワイガヤ議論で入り交じりコミュニケーション促進を図り、成果物が出来上がる成功体験を共有することを目的としている。具体的には370名の全社員を勤務地域・職種/職制・年齢・スキルでシャッフルした12名程度の混成チームに分け、創造技法のレクチャを含め3時間程度の短時間で議論をまとめるものである。本稿では、企業イベントとして短時間で行うこの全社員ワークショップをどのように実践したのか、初心者が大多数であった1回目での実践内容と失敗例、および10年後の2回目での改善プロセス・ツールと結果(時間、成果物の量・質)を示し、どのような工夫が有用であったかを述べる。また全社員での協働実践の効能についても述べる。