理論応用力学講演会 講演論文集
第66回理論応用力学講演会
セッションID: OS2-2-03
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OS2 建築構造における強非線形問題 (2)
部材の塑性化が屋根型円筒ラチスシェルの多重 TMD による地震応答低減に与える影響
*熊谷 知彦中野 雄介
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抄録

空間構造物へのTMDの適用に関して,TMDの応答低減効果は対象構造物の自由振動特性の影響を受けることが明らかとなっている。一方で,大地震時に制御対象構造物の部材が降伏した場合においては,その固有周期が伸び,モード形状が変化することで,TMDによる応答低減効果が低下する可能性が考えられる。そこで本研究では,多重TMDにより地震応答を制御する際に,構造物が弾塑性応答を呈する際の応答低減効果について検討している。対象とするのは,スパン36mの屋根型円筒ラチスシェルである。TMDは,変位応答の卓越する上位3モードを制御対象として,最適条件式に基づいて設計する。その結果,地震動強さλEによらず最大鉛直応答を低減可能であり,初期降伏を発生する地震動強さλEyは大きくなること,λEの増大に伴って非制振時に発生する非対称変形は,TMDを設置することで抑えられること等が得られた。

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© 2022 公益社団法人日本工学会
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