日本女子体育連盟学術研究
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研究資料
高等学校におけるダンス部の活動実態及び部員の意識調査
~東京都における急増するダンス部の現状と課題
中村 なおみ勢畑 多恵子布施 典子
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2014 年 30 巻 p. 69-79

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抄録
平成20年度に全国すべての小中学校を対象に「全国体力・運動能力,運動習慣調査」が行われた。その結果,昭和60年の結果と比較し,かなりの体力低下が明らかとなった。特に女子は,1週間に体育の授業以外で30分以下しか運動をしていないものが,小学5年生で8万人,中学2年生で12万人という結果で,男子よりも運動への参加率がかなり低く,これは運動部への所属が少ないことによると分析されている。以後,5年間の調査でもこの傾向は変わらない。
一方で,東京都女子体育連盟主催の体育実技研究発表会(以下ダンス発表会)への参加者数が平成8年からの15年間で5倍以上になっていることから,高等学校のダンス部員は増加していると推察できた。しかし,その実態に焦点を当てた調査や研究は充分に行われていない状況にある。
そこで本研究では,ダンス部に関する基礎データを収集・分析し,部員数が増加傾向にあることを実証するとともに,活動の実態を明らかにするため,ダンス発表会に参加する生徒と顧問教員を対象にアンケート調査を行った。
その結果,ダンス部員はかなりの増加傾向であることがわかった。また,増加という実態が先行しているが,教育機関としての学校の受け入れ態勢,つまり,指導体制や多数の部員に見合う施設面に課題があることが示された。
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© 2014 社団法人 日本女子体育連盟
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