パーソナルファイナンス研究
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査読付論文
P2P ネット金融において河南人が本当に差別されたか?
趙 彤石田 基広
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2021 年 8 巻 p. 61-72

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抄録

本稿は「人人貸」のトランザクション・データを用いて、借手の出身地が河南省であることがローン証券の成約とデフォルトにどれほど影響するかを明らかにし、その目的は河南人に対する差別が中国のP2Pネット金融においてどれほど存在するかを明らかにすることである。計量モデルの推定結果から言えば、借手の省レベルの出身地域に対する差別が全く存在しない一方、貸手は市町村レベルの出身地域を経済的豊かさ(市町村レベルの1人当りGDP)に置き換え、より豊かな地域出身の借手を選好していたことが明らかになった。この選好は結果的に投資収益を高め、全く合理的な行動である。情報の不完全性を補うため、出身地域という借手の非金融的属性を投資決定にたくみに利用することが貸手の賢さの現れであり、評価すべきことである。

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© 2021 パーソナルファイナンス学会
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