パーソナルファイナンス研究
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査読付論文
コミュニティバスの受益者負担について海外事例を踏まえた考察
─日本の地方部への課題アプローチ─
尾形 孔輝竹本 拓治米沢 晋
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2021 年 8 巻 p. 43-59

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抄録

本研究では、コミュニティバスの受益者負担について、日本におけるライドシェアと海外における乗合交通の比較の視点から考察する。地方では、路線バスの維持が経営収支の面から困難な状況にあり、移動手段を確保するために、路線バスの代わりや公共交通機関がない地域の移動手段として、コミュニティバスを自治体で運行する事例が増えてきている。現在、コミュニティバスの運営経費は公的負担にて賄われている事例が多い。本研究では、行政のみに負担を強いるのではなく、パーソナルファイナンスの視点から受益者負担はどうあるべきかを考え、受益者負担と公的負担のバランスを検討する。その上で、公共交通の受益者負担の在り方について、公共財の観点から考察し、産学官金民が一体となって運営することを提案する。

受益者負担にて運営されているライドシェアの京都府京丹後市の「ささえ合い交通」の事例や乗合交通が発達しているタイをはじめとする東南アジアの事例、企業を受益者として公共交通の財源を企業からの税金で賄うフランスの事例から、コミュニティバスにおいても受益者負担による運営の仕組みを構築することを考察する。公共交通には一定の受益者負担が必要であるとの立場から、産学官金民が連携して公共交通の維持や発展における課題解決を行うことを提言する。

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© 2021 パーソナルファイナンス学会
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