抄録
行動制限の場面における看護師の臨床判断の特徴を明らかにすることを目的として、12名の精神科看護師に半構成的なインタビューを行った。分析の結果、「看護師は、制限を解除していく過程で患者を不安定にさせないよう、刺激調整について判断している」「看護師は制限が必要な患者に対応する時には、突発的なアクシデントを常に予測している」「看護師は制限に対する患者のストレスを解放させるための臨床判断を行っている」「看護師は制限をしない場合に患者が被る不利益や苦しみを危惧し、それを回避することを重視した臨床判断を行っている」「看護師は関わりながら、患者との信頼関係を見極め、信頼関係の形成を重視した判断を行っている」「看護師は意図的に観察し行動制限が解除できる可能性がどの程度あるのかを判断している」の6つのテーマが抽出された。