日本精神保健看護学会誌
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研究報告
精神科訪問看護において利用者が求める看護援助
松岡 純子
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2018 年 27 巻 1 号 p. 52-62

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抄録

目的:本研究の目的は,精神科訪問看護において利用者が求める看護援助について,利用者の語りから明らかにすることである.

方法:精神科訪問看護利用者11名に半構成的インタビューを実施した.得られたデータを質的帰納的に分析した.

結果:分析の結果,【安心して楽しんで対話することができる】,【利用者の考えや可能性を尊重して聴く態度をもっている】,【過去や将来についての語りを聴いてくれる】,【病気や治療の話を聴き,対処や変化を支持してくれる】,【疾患の影響を理解した上で日常生活の困りごとを手伝ってくれる】,【身体的健康の維持に関心を向けてできることを一緒に考えてくれる】という6つのカテゴリーが明らかになった.

結論:楽しみを目的とした対話と利用者のこれまでの体験や将来の希望についての対話を精神科訪問看護の看護援助と捉えること,利用者との信頼関係をつくるために看護師が自らの価値観や態度を客観視し先入観に気づくこと,利用者の体験を重視して心身の健康と日常生活を支援することの重要性が示唆された.

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© 2018 日本精神保健看護学会
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