2020 年 29 巻 2 号 p. 29-39
研究目的は,非同意で精神科病棟に初回入院した患者に対する熟練看護師の入院時の関わりを明らかにすることである.非同意で精神科病棟に初回入院した患者と入院時に関わりの経験をもち,かつ精神科病棟で10年以上経験した看護師9名に対し半構造化面接を行い,質的記述的分析を行った.
熟練看護師は非同意で精神科病棟に初回入院した患者への入院時の関わりとして,入院直後に【入院時の衝撃を和らげる】関わりを行っていた.そして【患者のペースを尊重する】ことを行いながら,【患者と接点を作る】関わりを行っていた.患者と接点ができたところで【患者の体験を知る】ことを大切にしながら,【患者へフィードバックする】ことを行い,【患者に治療参加を促す】とともに【患者と一緒に行動する】【患者の強みを活かす】ことを行っていた.更に,関わり全体を通して熟練看護師は患者の一生を左右するという【看護師として関わりに責任を持つ】関わりを行っていることが明らかになった.