日本精神保健看護学会誌
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原著
精神科看護師におけるワーク・エンゲイジメントと自己効力感,レジリエンスおよび精神障害者に対するスティグマとの関連
香川 昭夫山本 明弘
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2022 年 31 巻 1 号 p. 10-18

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抄録

本研究の目的は,精神科看護師のワーク・エンゲイジメント(以下,WE)の実態を明らかにし,WEと自己効力感,レジリエンスおよび精神障害者に対するスティグマとの関連を検証することである.A県内の精神科単科病院5施設の病棟看護職員350名を対象とし,無記名自記式質問紙調査を行った.関連要因の分析には,WE総得点および3下位尺度の得点を従属変数とした重回帰分析を行った.有効回答は242名を得た(有効回答率79.6%).WE総得点平均は44.4(標準偏差15.4)点で,回答者の73.1%が低い群に区分された.レジリエンスの得点は,WE総得点および3下位尺度の得点と正の関連がみられた.自己効力感の得点および精神障害者に対するスティグマの得点は,いずれも有意な関連がみられなかった.精神科看護師のWEを高めるためには,レジリエンスを高めるように努める必要性が示唆された.また,夜勤回数とWEに負の関連がみられたことから,夜勤回数制限の必要性が示唆された.

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© 2022 日本精神保健看護学会
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