2023 年 32 巻 1 号 p. 1-9
本研究の目的は,精神科看護師の患者に対する陰性感情に対して職場の働きやすさやレジリエンスがどの程度関連するのかについて検証することである.8施設の精神科病院に勤務する看護師519名を対象に,基本属性,陰性感情経験頻度,職場の働きやすさ,二次元レジリエンス要因について無記名自記式調査を行った.得られた有効回答234名を対象に重回帰分析を行った結果,職場の働きやすさ(β = –0.23, p < 0.001),獲得的レジリエンス要因(β = –0.20, p < 0.05)の2変数において陰性感情と有意な関連を認めた.働きやすい職場環境の整備と獲得的レジリエンスの強化は,患者に対して陰性感情を抱く頻度を低減できる要因になり得るということが示唆された.