2017 年 46 巻 1 号 p. 1-11
望目特性ロバストパラメータ設計において,効果を減衰したい要因を実験要因として割り付けずに共変量として観測する場合の設計手順を提案する.いくつかの研究がこの設定を扱っているが,既存の研究は機能性の測度を定義せずに,正規線型モデルの誤差項の正規性にもとづいた検定のみを考えている.それに対して我々は,有界な非線型函数を用いることによって自然な形で調合誤差因子実験に対応したsignal-to-noise ratioを定義し,それにもとづいた設計法を与える.また,モデルの誤差項に正規分布を仮定せず,パラメータの最小自乗推定量の漸近正規性に基づいた検定を考える.