応用統計学
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原著論文
POSデータによる企業業績予測可能性の検証
大城 真太郎横内 大介
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2025 年 54 巻 2 号 p. 145-165

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抄録

本研究では,POSデータを用いてメーカーの売上高の予測可能性を検証する.POSデータは店頭での製品売上を記録したものであるため,国内小売店舗における売上が業績の大部分を占めるメーカーであれば,POSデータから売上高予測が可能だと考えられる.POSデータによって捕捉できる売上割合が小さい個別企業については対象外とする.POSデータはこれまで研究や実務の様々な場面で活用されてきた.在庫管理をはじめとした小売店での業務効率化,販促や価格戦略の効果検証,消費や物価等のマクロ経済指標の推計はよく知られたユースケースである.前述の通りPOSデータは,個社の売上高予測にも大いに活用できそうだが,実務面での活用例は伺えるものの,我々の調べる範囲において研究例は見当たらない.そこで本研究では,POSデータを用いて個社の売上高予測を試みる.関連する先行研究としてIshikawa et al. (2016)は,米国日用品メーカーの四半期実績売上高の成長率は,米国スーパーマーケットで観測されるPOSデータの成長率と高く相関することを報告した.同報告では売上高予測の可能性の示唆に留まっているため,本研究では実際にPOSデータを用いて実績売上高の予測を行う.また同報告ではPOSデータを全て使用しているが,POSデータには様々な誤差要因が存在し,サンプリングバイアスも大きいため,本研究ではPOSデータの選別を行った後に売上高予測を行うことで,その効果も併せて検証する.さらに株式投資への応用可能性も検証する.

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