応用統計学
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t検定におけるサンプルの大きさの一決定法
栗岡 豊高浜 幸太郎
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1971 年 1 巻 2 号 p. 77-88

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抄録

母分散が未知の場合の母平均に関する帰無仮説の検定において,第一種の過誤および母平均の差を与えたとき,与えられた検出力を保証するのに必要なサンプルの大きさを決定するには,普通試行錯誤法あるいは図や表によらなければならない.この報告では,このような方法の欠点を補う目的,および母分散既知と母分散未知の場合のサンプルの大きさの差をもっと正確にする目的で,サンプルの大きさを決定する近似式を導いた。この近似式では,サンプルの大きさは,近似的に母分散を既知とした場合のサンプルの大きさおよび第一種の過誤の関数として表現される.また母分散未知と母分散既知の場合のサンプルの大きさの差は,α=0.05,β=0.10,両側検定のとき,帰無仮説H0:μ=μ0に対しては2,H012に対しては1であることが確認できた.この近似式を精密計算値と比較した結果,サンプルの大きさが極端に小さいときを除いて,近似は良好であった.

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