応用統計学
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中小都市における小売店舗の分布状況に関する統計的研究
桑原 兵二郎
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1982 年 11 巻 3 号 p. 137-152

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抄録
本研究は中小都市における各種産業の構成割合および平面的散布状態を扱っている.調査対象都市としては広島県内の広島市,呉市およびそれらに隣接する市町から社会生活上一定の集落を構成する8地域を選定した.調査期間は昭和55年4月から昭和56年8月である.産業の分類は日本標準産業分類に従った.
この実態調査から得られた近似的な250mメッシュデータに対して主成分分析,クラスター分析,2次元分散,、点の空間分布におけるボアソン分布のX2適合度検定などの手法を適用することにより種々の結果を得た.
すなわち,(1)産業を大分類コードに従って分類すると都市規模と無関係に卸売業,小売業およびサービス業の三者が約70~80%を占める.中でも卸売業と小売業は人口の増大につれて割合が増加する.(2)人口の増大につれて産業の種類数は逓減し,同種産業の集中化が起る.(3)主成分分析により生活必需関連度を表わす主成分を分類コードを用いて定量的に表現した.(4)クラスター分析により都市における産業の機能的分布のパターンを表わした.(5)特定の産業の平面的散布の状態を2次元分散を用いて表現した結果,ある種の産業は都市規模に無関係に固有の集中度を有することを明らかにした.
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