2018 年 54 巻 4 号 p. 966-972
症例は38週4日,3,140 g,仮死なく出生した男児で,ミルク哺乳を開始後,胆汁性嘔吐を認め当院搬送,生後0日で緊急手術となった.小腸中部で小腸閉鎖症(IIIa型)を認め,器械吻合にて再建した.術後4日目にミルクを開始し排便も良好であったが,術後10日目に哺乳不良,嘔吐,単純レントゲンで結腸の拡張を認めた.浣腸を開始し,排便は安定し嘔吐も見られず哺乳も良好になったため退院,外来経過観察とした.浣腸で排便を認めていたが,腹部膨満と単純レントゲンで結腸拡張が徐々に悪化したため,造影検査を予定していたが,日齢52に発熱し,感染性腸炎にて入院した.造影検査にてS状結腸にcaliber changeを認め,直腸粘膜生検でHirschsprung病と診断した.洗腸にて排便コントロールを行い体重増加を待ち,月齢4,体重7.1 kgの時点で腹腔鏡下Soave–伝田法を施行した.術後経過は良好である.