応用統計学
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有限体上の多項式演算に基づく高速な準モンテカルロ法
手塚 集伏見 正則
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1992 年 21 巻 1 号 p. 37-48

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抄録

多重積分の近似値を求める方法のひとつに,差異の小さい点集合を標本点として用いる準モンテカルロ法がある.本稿では,差異の小さい点集合を高速に発生する新しい方法を紹介する.まず,擬似乱数の発生法として有名な線形合同法の多項式版を考え,法および乗数に対応するものとして,フィボナッチ数の多項式版に相当するフィボナッチ多項式の対を用いれば,2次元差異が小さい点集合が多数生成できることを示す.つぎに,やはり擬似乱数列の生成法として知られているTausworthe列とGFSR列の対応関係をうまく利用することによって,きわめて高速に生成できる点集合が存在することを示し,その生成法を具体的に示す.最後に,こうして得られる点集合の有効性を例示するために行った数値実験の結果を示す.

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