抄録
組合せ数の一つである最短格子経路数に関する母関数がSato & Congにより定義されている.古川・太田はこの最短格子経路数に関する母関数を利用して,M/M/1待ち行列モデルでの全稼働期間の長さの分布とその期間中に行うサービス回数の分布を求めうることを示している.ただし,古川・太田の研究では最短格子経路数の母関数を利用してM/M/1待ち行列モデルでの待ち行列長さに関しての平衡状態確率を導出する方法は論じられていない.そこで本研究では,待ち行列モデルの平衡状態確率を最短格子経路数に関する母関数を利用して導出する方法について考察する.