抄録
データ解析システムは,ユーザインタフェースの整備など,より使いやすくなってきている反面,初心者が誤用する可能性も大きくなってきている.このような問題に対し,著者らはこれまでに知識処理による支援機能を有したデータ解析システムを提案したが,用いている推論方法のために処理実行過程や効率面について問題を残していた.
本論文では,データ解析作業に知識処理を応用するための考察を行ない,解析作業に対し問題解決の枠組を適用し,さらに推論機構の一部に非単調推論の一実現形式であるTMSを導入することで,より効率的な推論方法を考慮したシステムの提案を行なう.また,具体的な実行例を通じて,従来のシステムとの動作の違いを比較検討し,本システムがより有効であることを示す.