応用統計学
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因果ダイアグラムにおける介入効果推定のための共変量選択
宮川 雅巳黒木 学
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1999 年 28 巻 3 号 p. 151-162

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抄録

因果ダイアグラムを用いた統計的因果分析において,要因変量Xを外的操作によってある値に固定したことによる反応変量Yへの因果的効果を介入効果と呼び,これを推定する問題を扱う.介入効果を推定するために,XとYとともに観測する共変量を選択する問題を共変量選択という.介入効果を識別する共変量選択の一つの十分条件として,バックドア基準が知られている.一般に,バックドア基準を満たす共変量は一意でなく,介入効果の推定値は共変量に依存する.本論文では,線形構造方程式モデルの枠組みにおいて,介入効果の推定精度の観点から,バックドア基準を満たす共変量の中での新たな選択基準を与える.この基準は,因果ダイアグラムのグラフ構造で記述される.

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