応用統計学
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Fault Tree Analysis
行待 武生
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1978 年 7 巻 3 号 p. 83-101

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抄録
今日,システムの安全問題に信頼性理論が広く応用されている.FTAと呼ばれる技法がそれであり,これについてその数理と活用を中心に紹介する.
この技法はFault Treeとよばれるグラフを出発点とするので,まずその記法を用語と共に簡単に説明する.FTAの数理については3節にまとめて紹介するが,構造関数,カットとパス,モジュール,確率計算,重要度など,いずれもシステム信頼性理論に基いている.ただし,物理的な意味はFTAにおいて,より明確になっていると思われる.
適用に際しての考え方や統計データの問題などは4節に簡単にまとめた.技法としての特徴,長所短所などについても,ここで言及する.最後に,5節において,理論と活用面での研究や事例報告の経緯や現状を展望してみた.1節と5節をあわせれば,由来の講釈にもなっていると思う.本論が発散しない範囲で,なるべく多くの参考文献を紹介する.ただ,信頼性の分野と混って,電子計算機の利用に関する研究も多いが,この方面は代表的と思われるものを簡単に指摘するにとどめた,
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