運動疫学研究
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Print ISSN : 1347-5827
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「身体活動を支える8つの投資」日本語版の紹介
天笠 志保 松下 宗洋田島 敬之香村 恵介中田 由夫小熊 祐子井上 茂岡 浩一朗
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2021 年 23 巻 2 号 p. 183-189

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抄録

202011月に国際身体活動健康学会(International Society for Physical Activity and Health; ISPAH)は「身体活動を支える8つの投資(Eight Investments That Work for Physical Activity)」を出版した。これは,2010年に同学会が発表した「身体活動のトロント憲章」と2011年の「非感染性疾患予防:身体活動への有効な投資」のうち,後者を最新化するもので,世界保健機関(World Health Organization; WHO)の「身体活動に関する世界行動計画2018-2030」とともに身体活動促進のガイダンスとして有益である。身体活動の促進は人々の健康増進のみならず,より良い社会の実現,国連が定める「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals; SDGs)」の達成に資するとされている。その戦略としてはシステムズアプローチが重要であり,その考えに基づいて8つの領域にわたる対策を推奨している。8つとは,①「学校ぐるみ」のプログラム(whole-of-school programmes),②アクティブな移動・交通手段(active transport),③アクティブな都市デザイン(active urban design),④保健・医療(healthcare),⑤マスメディアを含む一般社会に向けた啓発(public education, including mass media),⑥みんなのためのスポーツとレクリエーション(sport and recreation for all),⑦職場(workplaces),⑧コミュニティ全体のプログラム(community-wide programmes)である。本稿ではその内容を概説するとともに,英語原本およびその日本語訳を要約し,紹介する。

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