応用統計学
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放射線によるマウスの死因の寿命短縮への寄与
樋口 伊佐夫佐藤 文昭
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1980 年 9 巻 3 号 p. 159-167

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抄録

放射線の生体に及ぼす危険度の評価に,発がんによる寿命短縮の重要なことが認識されつつあるが,これに関する定量的研究はまだあまり見られない.筆者らは,その一人佐藤らによって得られた,マウスについての一連の系統的な実験結果から,電離放射線の危険度に関する知見を得るため,まず寿命短縮に対する個々の死因の寄与を計測することを考えた.いまあるきまった照射条件の場合について調べるものとする,考察の対象となるマウスの集団は非照射群(対照群)と照射群とから成る,その各々について,平均寿命ならびに各死因ごとの死亡発生率と死亡時の平均年令が実験データから得られるので,問題は二群間における平均寿命の差に対する各死因の寄与を,それらの情報を用いて算出することである.このためには単純に死因別に,平均死亡年令と死亡発生率の積の二群間における差をつくればよさそうに見えるが,実はそのような量を測っても有用な情報とはならないことが多い.筆者らは,寄与を表わす量として,いくつかの式を試行錯誤的に実験データに適用してみた結果,解釈がつきやすく役に立ちそうな量として,本文の式(4),(5),(14)によって定義されるGtを得た.それをこのような場合の寄与として用いることを提案ずる.この量の導出にあたっては,特定のデータへの適用の妥当性を指針としたが,結果の式には一般的な意味づけもできるので,適用し得る場合が少くないと思われる.

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