教授学習心理学研究
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英単語の有意味学習の授業内容の構想と実践
既知を活用した接頭辞conの英単語の体系的学習
梶原 郁郎芦沢 友也
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2020 年 16 巻 1 号 p. 15-31

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抄録
本稿は,英単語の有意味学習の授業内容の成果と課題を, 事前事後質問と授業記録に基づいて報告している。その内容は,既知を活用した接頭辞conの単語の体系的学習を目的として,構想されたものである。 その構想に際して第一著者はまず,英和辞典でconの単語をひとつひとつ全て通観するする中で,conの単語の訳語にconの意味(いっしょに)を読み取ることが容易な単語と困難な単語とを段階づけた。その後,次の学習順序で授業内容を組織した。(1)コンタクト・コンセントのカタカナ英語を活用して,contact・consentの意味を予想・検証する,(2)contact・consentの意味から,conの意味を予想・検証する。ここにconの意味を獲得した後,(3)生徒において未知と想定したconversation・concert・conclusion・conceiveの訳語に,conの意味(既知)が入っているかどうか思考する。このようにconの既知と訳語(未知)との関連を思考の対象とした授業後,10名中6名が,(3)の思考を問う事後質問で8割(6問中5問)以上の正答,4名が7割正答に届かなった。この成果と課題について本稿は,課題の教師側の要因の考察を含めて報告している。
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© 2020 日本教授学習心理学会
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