教授学習心理学研究
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算数学習におけるグループによる協同問題解決の様相の事例的検討
 協同と問題解決のプロセスによる解釈的分析
鈴木 正則
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2021 年 16 巻 2 号 p. 60-78

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抄録
本研究は,鈴木(2019)を再検討し,OECD(2017)の協同問題解決の枠組みに依拠し,算数学習におけるグループによる協同と問題解決それぞれのプロセスと活動を示し,両プロセスと活動を評価の枠組みとして,事例を再検証した。協同のプロセスと活動は,3つの主要な協同問題解決能力(collaborative problem-solving competency)に基づき,問題解決のプロセスと活動は,算数の教授方略である「練り上げ」に基づき構成した。検証は,小学校5年算数「直角三角形の面積」の学習における抽出グループの対話事例を,協同と問題解決の両視点から再検証し,対話の参加状況,対話の関わり,理解深化の過程を分析した。その結果,協同の活動をしながら問題解決の活動を進め,参加者全員が対話で関わり合い,認知レベルの差や考えの多様性に応じた対話が認められ,相互作用による理解深化の過程が明らかになった。理解深化の過程では,課題遂行とモニタの役割交代の他,前の発話内容に拡張,統合,精緻化する意見を繋ぐ対話の連鎖による相互作用が認められた。また,参加者の協同問題解決能力に基づく協同のスキルの発揮により,児童が主体的にグループ学習を運営し協同問題解決を進めたことが認めれらた。
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© 2021 日本教授学習心理学会
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