教授学習心理学研究
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価値主導型授業を改善する道徳教育内容の構想と実践
1年間の生活費を題材とする社会認識形成に基づく価値形成
久保田 雄太梶原 郁郎
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2021 年 16 巻 2 号 p. 79-95

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抄録
本稿は,価値主導型授業を改善する道徳教育内容の構想と実践について報告している。それは,児童の生活に関する新たな認識形成を図る内容で,それに価値形成は付随するのかという課題意識に立っている。 特定の道徳的価値をねらいに掲げて進める価値主導型授業の代案を提示するために,本稿は児童1人あたりの1年間の生活費を題材として,次の点を課題とした。①5年生の1年間の生活費(約122万円)をどのようなかたちで教育内容(授業内容)にすれば,その費用の大きさを児童は実感できるか,②自己の生活に関わるその新たな社会認識は児童の中にどのような価値をもたらすのか。特定の「内容項目」(道徳的価値)を授業のねらいに掲げず,認識形成を中軸とする本教育内容によって,第一著者が5年生26名を対象に授業を行った。その結果,まず授業記録では複数の児童に,①の社会認識形成が②の感謝の価値形成につながっている可能性が見出された。次に事後質問では①の社会認識形成は22名において感謝,1名において勤労の価値をもたらしている可能性が見出されて,2名において責任,1名において節度の価値をもたらしていた。
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© 2021 日本教授学習心理学会
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