抄録
本研究では,授業中に認知的不協和の発生を契機としてコミュニケーションが活性化する現象に着目し,それに関わる教師の行為の特徴を明らかにすることを目的とした。本稿では,小学校1年生算数「考える力を育てよう」の授業データに基づき事例分析を行った。その際,フェスティンガー(1957/1965)の認知的不協和理論と,江森(2006)の認知的不協和を軽減するための方策選択に関する考え方を用い,認知的不協和を契機としたコミュニケーションの活性化が明らかにした。さらに,それに関わる教師行動を分析することで,その特徴を4つの観点から整理することができた。