質的心理学研究
Online ISSN : 2435-7065
日本人高校生の自己効力感とメタ認知に対する英作文の指導とフィードバックの効果
GTAによる分析
長友 隆志
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2019 年 18 巻 1 号 p. 197-216

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抄録

本研究は生徒の英作文活動において,英作文指導におけるフィードバックの効果について,実際の授業実践にもとづいて検討したものである。管見では,現場の教師の英作文におけるフィードバックは英作文のみ,特に文法のみの指導に焦点が当てることが多く見受けられ,私もその1 人であった。しかしながら,生徒の英語能力は,英作文自体の指導のみならず,生徒の英作文に対する,心理面,認知面からの指導によっても改善できる可能性がある。本研究では,生徒のライティング活動において,自己効力感,メタ認知,そしてライティング方略の3 点について教師のフィードバックによりどのように変化するのか実践にもとづいて検討した。研究方法として,生徒からの振り返りの記録を学習ジャーナルとして記録し,その記録をGTA を用いて分析をした。実践では,英作文の指導の際,メタ認知の向上を図るために,エラーコードを用いた。さらに,励ましのコメントを用いることで,生徒の自己効力感を高めるよう意識した。結果として,生徒は,自己効力感とメタ認知を向上させながら,振り返りなどのライティング方略を使用するようになった。

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© 2019 日本質的心理学会
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