本研究では,水深0.2~20 mの極浅海域を測量することができる小型音響測深システム(HFD-1000)の能力を評価し,従来測量が困難であったサンゴ礁域において,簡易かつ高速に測定できることを示した.本システムは測定とデータ処理を一括して行えるものであり,測定した生データの出力やグリッドデータの作成も可能である.また,作成したグリッドデータを用いて,等深線が表示された2次元および3次元の画像を作成することもできる.本機器の性能上の深度分解能は10 mmであるが,動揺センサーや方位センサー等を使用することで,より高精度の測量を行うことができる.本機器はサンゴ礁域のみならず,これまで水深測定が困難であった沿岸域や湖沼域において,今後の活用が期待できる.