抄録
移流拡散モデルを元にした降下火山灰シミュレーションコードであるTephra2について,その歴史,理論,実行方法,最近の研究動向,今後の発展の方向性について記述した.Tephra2では適当な初期パラメータを与えることにより,堆積物の分布を計算できる.また,堆積物の情報から,初期パラメータをインバージョンにより求めることもできる.しかし,火口の極近傍の堆積物をうまく再現できないことや,大きい噴火では噴煙の高さがほとんど決まらないなどの問題点が知られている.これらの解決のためには,粒子の高さ方向の放出量変化を解明することと,噴煙の傘型領域をコードで表現することが必要である.こうした課題には,よく知られている噴火のデータを多数利用する必要があり,この分野へ多くの研究者が参入することが期待される.