第四紀研究
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52 巻 , 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
「テーマセッション(テフラ・年代測定)」特集号
  • 早田 勉
    2013 年 52 巻 4 号 p. 95-96
    発行日: 2013/08/01
    公開日: 2013/09/28
    ジャーナル フリー
  • 坂口 一
    2013 年 52 巻 4 号 p. 97-109
    発行日: 2013/08/01
    公開日: 2013/09/28
    ジャーナル フリー
    群馬県域における水田遺跡の発掘調査で検出された火山噴火前後における人の行動の痕跡と,それを被覆するテフラおよびこれに起因する火山泥流の層位から,従来不明であった6世紀代における榛名二ツ岳渋川テフラ(Hr-FA),榛名二ツ岳伊香保テフラ(Hr-FP)を構成する個々のテフラ層と,これに起因する火山泥流の堆積に要した時間と季節を考察した.
    前橋市元総社北川遺跡における水田に給水するための用水路の分岐作業と,未完に終わった水田の畦作り作業の状況から,Hr-FAを構成するテフラであるS1~S7 の堆積までは数日以内に起きたものと推定した.さらに,噴火から火山泥流の発生までが稲の作付け時期である初夏の範疇で,長くみても1ヵ月以内の間に起きたものと推定した.
    また,元総社北川遺跡における水田の畦作りと田起しの作業,および榛名火山東方域の遺跡における畦作り作業の進捗状況との比較から,Hr-FPを構成するテフラのI1~I19 の堆積までが1日~1週間ほどの間に起き,噴火から火山泥流の発生まで含めても初夏の範疇で,数日から数週間のうちに起きたものと推定した.
  • 桒畑 光博
    2013 年 52 巻 4 号 p. 111-125
    発行日: 2013/08/01
    公開日: 2013/09/28
    ジャーナル フリー
    鬼界アカホヤ噴火が人類に与えた影響に関する研究は,日本列島における第四紀学上の重要なテーマの一つである.この研究の基礎的な作業として,鬼界アカホヤテフラ(K-Ah)の年代に関する理化学的アプローチによる到達点を確認し,縄文土器編年との対応関係に関する研究の現状を把握した.さらに,九州縄文時代早期末~前期前半の土器型式の編年を再確認した上で,土器付着炭化物の放射性炭素(14C)年代測定値の較正暦年代を参考にして,K-Ahの年代(ca. 5,300 cal BC)を九州の縄文土器編年に対応させた.その結果,K-Ahの年代は,縄文時代早期末~前期初頭の一連の条痕文系土器群(轟A式土器および西之薗式土器)の年代幅(5,600~5,100 cal BC)に位置づけられた.
  • 池原 研, 大串 健一, 野田 篤, 檀原 徹, 山下 透
    2013 年 52 巻 4 号 p. 127-137
    発行日: 2013/08/01
    公開日: 2013/09/28
    ジャーナル フリー
    テフラは陸域から,沿岸,浅海,深海,そして海溝域まで地質学的に同時に堆積するので,これらをつなぐよい鍵層である.海洋レザバー値を知ることは,海洋試料の放射性炭素年代値を暦年代値に較正し,陸域と海域間の地質学あるいは古環境イベントを対比するのに必須である.浮遊性有孔虫遺骸を用いた海域におけるテフラの放射性炭素年代値とそのテフラの陸域における年代値の比較は,テフラ降下時のその海域の海洋レザバー値を提供する.融氷期の三陸沖における地域レザバー値(ΔR)は,十和田─八戸テフラの海域(14.2 14C ky BP)と陸域(13.0 14C ky BP)の年代の比較から約830年と計算された.この値は現在の西部北西太平洋の地域レザバー値よりやや大きいが,より正確な復元にはより精度の高い陸域および海域の年代値の決定が必要である.
  • 下岡 順直, 竹村 恵二, 長友 恒人
    2013 年 52 巻 4 号 p. 139-150
    発行日: 2013/08/01
    公開日: 2013/09/28
    ジャーナル フリー
    これまでに筆者らが求めた第四紀後期以降の火山灰(テフラ)の熱ルミネッセンス(TL)年代を集成した.TL測定を実施するにあたって,試料の選択,検出波長別の線量依存性などの検討を行った.得られたTL年代は,テフラ層序と整合する結果であった.また,3万年前以降のテフラのTL年代について,暦年較正した放射性炭素(14C)年代と比較した.その結果, 3万年前以降のテフラは両者で良く一致した.これらテフラの数値年代の確度向上に向けて,TL法と14C法の双方から今後も検討を進める必要があるだろう.
    同一の年代を広域において把握できるテフラは,第四紀研究において鍵層として重要である.指標となる広域テフラの数値年代データセットを揃えるために,手法間のクロスチェックを含め,今後も精力的な年代測定の実施が待たれる.
  • 田島 靖久, 林 信太郎, 安田 敦, 伊藤 英之
    2013 年 52 巻 4 号 p. 151-171
    発行日: 2013/08/01
    公開日: 2013/09/28
    ジャーナル フリー
    霧島火山の新燃岳では2011年に軽石を伴う噴火を起こした.新燃岳は,最近1万年間内に3回の軽石噴火をしているが,2011年噴火はこれらより短い間隔をもって噴火した.また,新燃岳の火口壁には複数の溶岩の露出が知られていたが,その噴出年代は解明されていない.そこで,新燃岳の長期的活動史を理解するために野外調査・年代測定・全岩化学分析を行い,テフラと溶岩の関係を考察した.その結果,既知のテフラ以外に4.5,2.7,2.3 cal ka BPにテフラ噴出があったことが新たに判明した.また,溶岩はテフラとの関係より牛のすね火山灰以前,新燃岳-新湯テフラ以前,新燃岳-享保テフラ以前,およびそれ以降に分けられる.新燃岳は,少なくとも 5.6~4.5 ka, 2.7~2.3 ka, 18世紀以降の3回の活発にマグマを噴出する活動的な期間と静穏な期間を繰り返しており,現在は活動的な期間に位置づけられる.
  • 萬年 一剛
    2013 年 52 巻 4 号 p. 173-187
    発行日: 2013/08/01
    公開日: 2013/09/28
    ジャーナル フリー
    移流拡散モデルを元にした降下火山灰シミュレーションコードであるTephra2について,その歴史,理論,実行方法,最近の研究動向,今後の発展の方向性について記述した.Tephra2では適当な初期パラメータを与えることにより,堆積物の分布を計算できる.また,堆積物の情報から,初期パラメータをインバージョンにより求めることもできる.しかし,火口の極近傍の堆積物をうまく再現できないことや,大きい噴火では噴煙の高さがほとんど決まらないなどの問題点が知られている.これらの解決のためには,粒子の高さ方向の放出量変化を解明することと,噴煙の傘型領域をコードで表現することが必要である.こうした課題には,よく知られている噴火のデータを多数利用する必要があり,この分野へ多くの研究者が参入することが期待される.
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