第四紀研究
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新潟県下田村, 下原断層の断層露頭および断層変位地形
鈴木 郁夫
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1993 年 32 巻 2 号 p. 61-74

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抄録

新潟県中央部は, 北北東-南南西に連続する新発田-小出線を境界として, その東西で著しく地形, 地質を異にしている. 新発田-小出線は当地域の地形発達を考えるうえで, きわめて重要である. 信濃川に流入する五十嵐川の流域には9段の河成段丘面が広く発達している. 新発田-小出線にほぼ平行する下原断層は, 西上がりの逆断層で, 五十嵐川が形成した河成段丘面のうち少なくともII面, V面およびVII面に, 町屋敷断層はV面およびVII面に, それぞれ変位を与えている. 河成段丘V面・VII面の垂直変位量を基に, 下原断層の平均垂直変位速度を算出すると, 約0.05m/103年となる. また, 下原断層は段丘崖の連続性から判断すると, 新発田-小出線の北部とは異なり, 右横ずれ変位の可能性を持つと推定される.

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