第四紀研究
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32 巻 , 2 号
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  • 鈴木 郁夫
    1993 年 32 巻 2 号 p. 61-74
    発行日: 1993/05/31
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    新潟県中央部は, 北北東-南南西に連続する新発田-小出線を境界として, その東西で著しく地形, 地質を異にしている. 新発田-小出線は当地域の地形発達を考えるうえで, きわめて重要である. 信濃川に流入する五十嵐川の流域には9段の河成段丘面が広く発達している. 新発田-小出線にほぼ平行する下原断層は, 西上がりの逆断層で, 五十嵐川が形成した河成段丘面のうち少なくともII面, V面およびVII面に, 町屋敷断層はV面およびVII面に, それぞれ変位を与えている. 河成段丘V面・VII面の垂直変位量を基に, 下原断層の平均垂直変位速度を算出すると, 約0.05m/103年となる. また, 下原断層は段丘崖の連続性から判断すると, 新発田-小出線の北部とは異なり, 右横ずれ変位の可能性を持つと推定される.
  • 中川 登美雄, 福岡 修, 藤井 昭二, 中村 俊夫
    1993 年 32 巻 2 号 p. 75-87
    発行日: 1993/05/31
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    福井県大飯郡高浜町地下から自然貝層が見いだされた. 地下2mから6mまでの地層を, 岩相や貝化石の組み合わせの特徴から6つの層準に区分し, そのおのおのの貝化石群集および有孔虫化石・介形虫化石を解析した. 解析結果と14C年代との組み合わせから, 5,000年前から現在までの古環境の変遷が明らかになった. 5,000年前は潮間帯泥底で, 約4,000年前頃小海進により内湾の砂泥底になった. その後, 海面は少しずつ後退し, 2,000年前には潮間帯泥底になり, 1,000年前には汽水性の潟になった. それ以降, 本地域は沼になり, 最近の埋め立てにより現在に至った.
    産出した貝化石の中には, コゲツノブエガイ, カニノテムシロガイ, ハイガイ, シオヤガイなどの現在の若狭湾には生息しない, 亜熱帯性のものが含まれている.
    今回の研究で, 関東地方では5,000~4,000年前に消滅した亜熱帯性の貝化石が日本海側で約2,000年前まで産出すること, およびこれまで北陸地域においては, はっきりしなかった4,000年前の小海進の存在が明らかになった.
  • 五十嵐 八枝子, 五十嵐 恒夫, 大丸 裕武, 山田 治, 宮城 豊彦, 松下 勝秀, 平松 和彦
    1993 年 32 巻 2 号 p. 89-105
    発行日: 1993/05/31
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    北海道北部の剣淵盆地と中央部富良野盆地で14C年代の測定と花粉分析により約32,000年間の植生変遷史を復元した. 25,000~32,000yrs BPはエゾマツ/アカエゾマツを主とし, グイマツを混じえたタイガ, 16,000~25,000yrs BP (極相期) は現在のサハリン北部に見られるステップとグイマツ, ハイマツを主とする疎林 (北部) およびグイマツ, ハイマツを主とするタイガ (中央部)が発達した. 12,000~16,000yrs BPは北部でグイマツが衰え, エゾマツ/アカエゾマツとカバノキを主とする森林が発達した. 10,000~12,000yrs BPに著しい寒さの戻り (剣淵亜氷期) があり, グイマツは極相期の規模に回復した. 8,000~10,000yrs BPにグイマツは絶滅し, 8,000yrs BPにコナラ属が急増して現在の森林が形成された.
  • 三浦 英樹, 高岡 貞夫
    1993 年 32 巻 2 号 p. 107-114
    発行日: 1993/05/31
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    北海道北部, 利尻島において沓形溶岩流および野塚溶岩流の直下から木材遺体を採取し, その年代測定と樹種同定を行なった. 沓形溶岩流直下の木材遺体からは>37,320年BP, 野塚溶岩流直下の木材遺体からは28,230±1,020年BPの14C年代値が得られ, これらの値がそれぞれの溶岩流の噴出年代を示すと考えられる. 両地点における木材遺体を同定した結果, 野塚溶岩流直下のものはカラマツ属 Larix とトウヒ属 Picea, 沓形溶岩流直下のものはこれらの他にモミ属 Abies が含まれていた. 以上の結果から, 2つの溶岩流の噴出年代はこれまで考えられていたよりも古く, 最終氷期の約2.8万年BPより前には, 火山体は少なくとも現在と同程度の高度にまで成長していたと考えられる. また, それぞれの溶岩流の噴出した時期には山麓で針葉樹が生育していたことが明らかになった.
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