第四紀研究
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山形県北部に分布する後期更新世の含黒雲母,カミングトン閃石テフラ
松浦 旅人
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2000 年 39 巻 2 号 p. 165-170

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抄録

山形県北部の尾花沢,新庄,向町盆地周辺において,黒雲母,カミングトン閃石を含む緑色粗砂状のテフラ(毒沢テフラ,Dks)が分布している.Dksに含まれる火山ガラスの屈折率nは1.495-1.498,カミングトン閃石の屈折率n2は1.665-1.671,mg値は0.568-0.571を示す.Dksの噴出源は,層厚変化から判断して肘折カルデラ-月山-葉山を結ぶ三角地帯,またはその南西方向に位置すると推定される.Dksの噴出年代は三瓶木次テフラ(噴出年代100ka前後)の直上にあるため,100kaよりやや新しい.宮城県北部築館周辺でみいだされている北原テフラは,Dksと類似した特性を有しており,両者の対比は今後の課題である.

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