第四紀研究
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山形県米沢市の堀立川遊水地に現れた地層
山野井 徹王 偉銘本田 康夫阿子島 功湯沢 洋一郎鈴木 雅宏檀原 徹長澤 一雄小野寺 忠男
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2001 年 40 巻 5 号 p. 415-421

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抄録
山形県米沢市南部の堀立川遊水地の掘削により露頭が現れた.露頭は砂礫と泥質層・砂質層互層をそれぞれ主体とする部分がある.後者には多くの炭化材や植物破片が埋積されているほか,イラモミの球果が多産する.堆積物は14C年代が約18,000~15,000cal yrs BPであることから最終氷期後期のものである.露頭上位層準の火山灰は,浅間草津(As-K)と同定された.
本地域の堆積物は,表土以外は当時米沢市の西側を流れた古最上川やその後背湿地で形成されたものである.この古最上川は15,000cal yrs BP頃から流れを米沢市の東方に変えた.こうした流路の転換は気候の変化に関連して起こった可能性が高い.この時以来,この地域では非常にわずかな風成層しか堆積していない.
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