第四紀研究
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香川県坂出平野における上部更新統および完新統の層序と堆積環境
川村 教一
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2002 年 41 巻 2 号 p. 95-107

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抄録
坂出平野地下から得られたボーリング・コア試料などの観察と貝類化石,火山灰の抽出を行い,上部更新統および完新統の層序,形成年代,堆積環境について考察した.研究地域における更新統,完新統は下位から順に,陸成層の本町層,陸成および海成層の坂出層(下部層,中部層,上部層),おもに海成層の綾川層(高屋町泥部層,高屋町砂部層,林田町砂部層)に区分される.坂出層上部層からは,姶良Tn火山灰層(AT)に対比される坂出5火山灰層,綾川層からは鬼界アカホヤ火山灰層(K-Ah)に対比される綾川火山灰層がそれぞれ見つかった.完新統の基盤は,湿地堆積物や古大束川の氾濫堆積物などからなる坂出層上部層である.これを覆って,完新世前期に汽水的環境下で高屋町泥部層が堆積した.綾川の三角州は,K-Ah降灰以後に高屋町泥部層上部のシルト質砂層(底置層)の堆積から始まつた.その後5,500yrsBP頃までには高屋町砂部層の砂層(前置層)が堆積し,三角州の主部が完成した.
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