[目的]本研究では,介護福祉士としての視点や思考が地域福祉実践においてどのような強みや困難さにつながるかを明らかにすることを目的とした.[方法]介護福祉士を保有している社会福祉協議会職員6名に対して,半構造化面接法によるインタビュー調査を実施した.[結果]146のコードから22のカテゴリが生成され,介護福祉士として培われた視点や思考,地域福祉実践に臨む態度,介護福祉士による地域福祉実践,介護福祉士以外の職員とのギャップが明らかとなった.[結論]介護福祉士の視点や思考が地域を基盤としたソーシャルワークにおいて発揮されること,社会福祉法人の公益的な取組における介護福祉士の有用性と成長の可能性,地域福祉実践において介護福祉士が個別支援専門職として果たす役割などが示唆された.地域福祉実践における介護福祉士の強みや,個別支援に深くかかわっていた経験に起因する困難さが推察された.