2022 年 29 巻 1 号 p. 1-14
[目的]介護福祉士が行うリフレクションの構造を明らかにすることを目的とする.[方法]研究対象者9名への個別インタビューによって得たデータをKrippendorffの内容分析を用いて分析した.[結果]リフレクションに関連するデータ1100記録単位を分析対象とし,介護福祉士が行うリフレクションの構造は,4カテゴリー,13サブカテゴリー,1100コードと析出された.[結論]介護福祉士が行うリフレクションの構造は,基底要因として《心のゆとり》《介護福祉への関心》《基礎知識》があり,《支持的組織風土》《防衛的組織風土》《リフレクションの契機をつくる組織的取り組み》《職場外の仲間との関わり》の影響を受けつつ,中核に《正直なコミュニケーション》《ポジティブな思考で仕事を見る》《気づき》があり,その成果として《思考の枠組みの変容》《ケアのレパートリーの増加》《介護福祉の価値の強化》に至るという,循環的構造であることが明らかになった.