抄録
近年インターネット関連技術は飛躍的に進歩を遂げている.2014年には,W3C(World Wide Web Consortium:インターネットの仕様を作成している団体)からHTML5(Hyper Text Markup Language Version 5:Webで使われる言語)の勧告(規格**)が出された.
従来インターネットでWebブラウザは,主にWebサイトから画像等のデータをパソコン等にダウンロードして表示させる,というように使われてきた.自動車のような,通信状況が刻々と変化する環境で安定的に使うことには制約があった.これに対して,HTML5で新たに追加された機能であるWebストレージは,JavaScript(プログラミング言語の一種)を端末側にダウンロードし,サーバとの通信が切れても端末側で動作させることを可能にした.
これに加えて,サーバとの間の双方向通信を可能にするWebSocketという技術が導入された.この結果,例えば,自動車の情報をサーバに送信する,といったことが可能となった.これは,従来,テレマティックスシステム等で実現されてきたプローブ情報システムをWeb技術を使って実現できることを意味する.
こうしたことから,W3Cでは,2012年から自動車向けに必要となる仕様の検討作業を始めている.本稿では,この活動の経緯と最近の動向について紹介する.
** W3Cでは,策定される規格はRecommendation(勧告)と呼ばれる.