JARI Research Journal
Online ISSN : 2759-4602
研究速報
居眠り運転に関する交通事故統計データの分析
栗山 あずさ大谷 亮
著者情報
研究報告書・技術報告書 フリー

2023 年 2023 巻 3 号 論文ID: JRJ20230303

詳細
抄録
日常生活において,人は「眠気」を感じることがしばしばあるが,眠気(覚醒度の低下)は交通事故の要因となることでも知られている.国内においても居眠り運転に関する対策が数多く検討されているものの,職業運転者や高速道路を対象に実施される傾向がある.しかしながら,眠気はいつ誰にでも生じ得ることから,対策を講じるにあたってはすべてのドライバや場所を対象とした実態把握が必要と考えられる.そこで本研究では,居眠り運転事故対策に資する知見を蓄積するため,交通事故統計データを用いて,居眠り運転事故件数の実態を調査した.居眠り運転による死亡および重傷事故件数は,職業運転者よりも職業運転者以外,業務中よりも私用の方が多く,発生場所は,高速道路・自専道よりも一般道が多かった.各時間帯における死亡および重傷事故に占める居眠り運転事故の割合は,4~5時台が5%程度で最も高く,次に12~16時頃が2%程度であった.このことから,一般ドライバや一般道への対策範囲の拡大が重要であると考えられる.
著者関連情報
© 2023 一般財団法人日本自動車研究所
前の記事 次の記事
feedback
Top