JARI Research Journal
Online ISSN : 2759-4602
2023 巻, 3 号
JARI Research Journal 2023年3月号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
2022年度特集号(2) 特集: 「安全・安心なクルマ社会への取組み」
表紙・目次・掲載区分・編集後記・裏表紙
巻頭言
研究速報
  • -歩行中の事故原因や道路の横断方法に関する子どもの知識を対象にした予備的検討 -
    大谷 亮, 橋本 博
    原稿種別: 研究速報
    2023 年2023 巻3 号 論文ID: JRJ20230301
    発行日: 2023年
    公開日: 2025/01/21
    研究報告書・技術報告書 フリー
    効果的かつ効率的な子どもの交通安全教育の実施のためには,子どもの知識や認識に関する発達を考慮した上で,教育目標や内容などを決定する必要がある。本研究では,幼児期および児童期の子どもを対象にしたweb面接調査により,道路の横断方法に関する子どもの認識の年齢差を調査した。90名の子どもを対象にした調査の結果,道路の横断方法に関する子どもの認識に年齢差がみられることがわかった。本研究の結果にもとづき,効果的かつ効率的な子どもの交通安全教育について考察する。
  • 栗山 あずさ, 大谷 亮
    原稿種別: 研究速報
    2023 年2023 巻3 号 論文ID: JRJ20230303
    発行日: 2023年
    公開日: 2025/01/21
    研究報告書・技術報告書 フリー
    日常生活において,人は「眠気」を感じることがしばしばあるが,眠気(覚醒度の低下)は交通事故の要因となることでも知られている.国内においても居眠り運転に関する対策が数多く検討されているものの,職業運転者や高速道路を対象に実施される傾向がある.しかしながら,眠気はいつ誰にでも生じ得ることから,対策を講じるにあたってはすべてのドライバや場所を対象とした実態把握が必要と考えられる.そこで本研究では,居眠り運転事故対策に資する知見を蓄積するため,交通事故統計データを用いて,居眠り運転事故件数の実態を調査した.居眠り運転による死亡および重傷事故件数は,職業運転者よりも職業運転者以外,業務中よりも私用の方が多く,発生場所は,高速道路・自専道よりも一般道が多かった.各時間帯における死亡および重傷事故に占める居眠り運転事故の割合は,4~5時台が5%程度で最も高く,次に12~16時頃が2%程度であった.このことから,一般ドライバや一般道への対策範囲の拡大が重要であると考えられる.
  • 山口 伊織, 安部 原也
    原稿種別: 研究速報
    2023 年2023 巻3 号 論文ID: JRJ20230304
    発行日: 2023年
    公開日: 2025/01/21
    研究報告書・技術報告書 フリー
    近年,国内における交通事故死者数は減少しているものの,その構成割合は自動車乗車中よりも歩行中の事故の割合が多い.歩行中の法令違反別死者数をみると車両の直前後の飛び出しが多く,特に車両を遮蔽物とした歩行者飛び出し事故における死者が多い.そこで本研究ではまず,過去に実施された死角からの飛び出し場面における安全性評価に関する文献をまとめた.過去の文献では走行速度における評価指標を用いた一般ドライバの安全性評価が必ずしも十分であるとはいえない現状であることから,一般ドライバを対象とした死角場面での走行実験をJARI-ARVにて実施し,走行速度における安全性評価を軸としたドライバ行動の安全性の現状を明らかにした.
  • 三上 耕司, 鮏川 佳弘, 福山 慶介
    原稿種別: 研究速報
    2023 年2023 巻3 号 論文ID: JRJ20230305
    発行日: 2023年
    公開日: 2025/01/21
    研究報告書・技術報告書 フリー
    ハイブリッド車の普及と交通事故調査の観点を背景に,ハッチバックセダン型ハイブリッド車後部のエネルギ吸収特性をフルラップ後面衝突実験によって把握するとともに,従来のエンジン車の吸収エネルギに関する参考文献との比較を行った. その結果,ハッチバックセダン型ハイブリッド車後部のエネルギ吸収特性は,永久変形量が小さい領域(0~0.25m)においては2次曲線的に吸収エネルギが高くなる特性が見られたが,従来のエンジン車よりもその吸収エネルギ量は低いことがわかった. また,永久変形量が大きい領域(0.25~0.7m)では吸収エネルギ量が急激に高まり,線形的に上昇することがわかった. 従来の車両と比較すると,セダン,軽自動車,セミキャブ,ハッチバック,オフロードの各車両形状で分けた吸収エネルギ特性の中間に位置していることがわかった. 本研究の実施によって,取得した後部エネルギ吸収特性を利用してハイブリッド車のエネルギ吸収分布図を作成することができた. このエネルギ吸収分布図を用いることで,ハッチバックセダン型ハイブリッド車の追突事故(後面衝突事故)の,より正確な吸収エネルギの算出が可能になると考えられ,今後の事故の調査や捜査への活用が期待される.
  • 岩城 亮, 藤田 裕一, 吉田 智幸
    原稿種別: 研究速報
    2023 年2023 巻3 号 論文ID: JRJ20230306
    発行日: 2023年
    公開日: 2025/01/21
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本研究は、飲酒による運転操作や車両挙動への影響の把握と飲酒判別手法の基礎的検討を目的とし、飲酒状態によるドライビングシミュレータを用いた実験により実施した。実験結果を用いて、飲酒有無の運転操作および車両挙動指標の分布傾向の比較により,どのような指標に飲酒の影響が現れるのかを整理した。
技術資料
  • 福山 慶介, 鮏川 佳弘, 三上 耕司
    原稿種別: 技術資料
    2023 年2023 巻3 号 論文ID: JRJ20230307
    発行日: 2023年
    公開日: 2025/01/21
    研究報告書・技術報告書 フリー
    2021年の日本の交通事故による死者数は2,636人で,これを状態別に見ると歩行中の死者数は941人(35.7%)である.近年では衝突被害軽減ブレーキなどの普及により歩行中の死者数は減少傾向にあるものの,状態別の死者数の中では最も多い.歩行者事故の交通捜査では,事故要因の究明過程において車両の衝突速度が争点となることが多く,高精度 な衝突速度の推定方法が求められている.従来より,歩行者事故における衝突速度の推定には,衝突速度と歩行者の飛翔滑走距離(衝突地点から歩行者の最終停止地点までの距離)の関係性から衝突速度を算出する方法が用いられている.しかし,この推定方法は車両の制動タイミングが衝突瞬間よりも遅れた場合には,衝突速度の推定精度が低下すると考えられている.本報告では,制動タイミングの遅れが衝突速度の推定精度に与える影響を実験的に検証するとともに,制動タイミングが遅れた場合に推定精度を向上させる方法を検討した.
研究活動紹介
  • -「ててて!とまって!」の作成に協力して-
    大谷 亮
    原稿種別: 研究活動紹介
    2023 年2023 巻3 号 論文ID: JRJ20230302
    発行日: 2023年
    公開日: 2025/01/21
    研究報告書・技術報告書 フリー
    子どもを対象にした交通安全教育についてみると,楽しみながら道路の横断方法などを学習できるように,各種のグッズや交通安全ソングが欧州や日本などにおいて作成されている。NHK(日本放送協会)は,例年起こる子どもの交通事故を減らしたいという想いから,交通安全ソング「ててて!とまって!」を2022年にリリースし,「みんなのうた」などで放映をおこなった。「ててて!とまって!」の作成に際しては,筆者も子どもの交通行動や安全を専門とする研究者として取材に協力した。本稿では,「ててて!とまって!」の主旨や作成に際しての留意点を,背景となっている研究成果を基に概説し,歌詞の内容について紹介する。
feedback
Top