JARI Research Journal
Online ISSN : 2759-4602
調査資料
実証実験から継続された小型モビリティ事業の現状(いま)
―観光地における活用の事例からみる価値と課題― モビリティ研究会 調査報告 (4)
飯野 信次飯田 実柴田 英一大庭 敦中塚 喜美代
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2024 年 2024 巻 4 号 論文ID: JRJ20240407

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抄録

地球温暖化問題や,地方でのモビリティ維持が年々深刻化している.小型モビリティは,小型軽量であり原理的に環境負荷の小さい乗り物であることから,これらの問題解決に寄与する可能性がある.その導入による社会的な影響を検証する実証実験が以前より全国各地で行われてきた.現在,その多くは実装されずに終了しているが,観光地におけるレンタカー用途等,現在も継続されている事業が見受けられる.そこで事業継続できている理由を探るべく,事業に取り組む方にインタビューを実施した.その結果,小型モビリティの話題性や非日常性による観光地の魅力向上への寄与がユーザに評価され,事業体にも認識されていることがわかった.一方,車両本体としては導入コストや維持,充電時間に課題があるが,快適性については観光目的としてはあまり重要視されていないという意見も聞かれた.また事業としては,平日や閑散期の稼働率の低さによる収益性の課題が挙がった.今後一層の普及には,地域と一体になった小型モビリティの強みをより訴求できる取り組みが必要と考える.

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© 一般財団法人日本自動車研究所
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