我が国の物流や地域交通を支える職業ドライバ不足等の社会課題の解決が期待される自動運転技術の早期実現に向け,金沢大学高度モビリティ研究所と一般財団法人日本自動車研究所(JARI)自動走行研究部は2016年から共同研究を進めている.共同研究開始前の自動運転評価拠点の整備時に金沢大学から有用な知見の提供を受け,これが契機となって本共同研究の枠組みに発展している.本稿では,金沢大学とJARIの関係について3つのPhaseに分けて両者の強みを活かして取り組んできた内容を紹介する.
わが国が自動運転分野において産業競争力を確保し,世界の交通事故の削減等,社会課題の解決に貢献するため,官民で取り組みを推進している.本講演では,自動運転レベル4等の先進モビリティサービスの実現・普及を目指す「RoAD to the L4」の実施状況など,経済産業省における自動運転の実現に向けた取り組みや方向性を紹介する.
本稿は,交通社会の課題解決が期待されている自動運転レベル4実現に向けた制度整備の状況や今後の課題,ホンダが進める自動運転タクシーサービスの実用化に向けた取り組みを概説する.
世界初のオープンソースの自動運転OS「Autoware*2」の誕生から約8年.安全な⾃動運転に資するあらゆるテクノロジーを開放し,様々な組織,個⼈がその発展に貢献できる「Autoware」を中心とした開放的なエコシステムによる「自動運転の民主化」について解説します.
メディアなどで多く取り上げられる,ブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故の対策として,国土交通省と独立行政法人自動車事故対策機構(ナスバ)が推進する自動車アセスメント事業(JNCAP)において,ペダル踏み間違い時加速抑制装置の試験・評価が2018年より開始された.一般財団法人日本自動車研究所(JARI)は当該評価開始から試験の実施を通じて,安全な自動車の開発・普及の一端を担ってきた.本稿では,試験・評価に関するこれまでの活動内容と評価試験の方法について紹介する.
地球温暖化問題や,地方でのモビリティ維持が年々深刻化している.小型モビリティは,小型軽量であり原理的に環境負荷の小さい乗り物であることから,これらの問題解決に寄与する可能性がある.その導入による社会的な影響を検証する実証実験が以前より全国各地で行われてきた.現在,その多くは実装されずに終了しているが,観光地におけるレンタカー用途等,現在も継続されている事業が見受けられる.そこで事業継続できている理由を探るべく,事業に取り組む方にインタビューを実施した.その結果,小型モビリティの話題性や非日常性による観光地の魅力向上への寄与がユーザに評価され,事業体にも認識されていることがわかった.一方,車両本体としては導入コストや維持,充電時間に課題があるが,快適性については観光目的としてはあまり重要視されていないという意見も聞かれた.また事業としては,平日や閑散期の稼働率の低さによる収益性の課題が挙がった.今後一層の普及には,地域と一体になった小型モビリティの強みをより訴求できる取り組みが必要と考える.
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