中小企業会計研究
Online ISSN : 2435-8789
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中小企業融資における経営者保証ガイドラインと中小会計要領の意義
櫛部 幸子
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2016 年 2016 巻 2 号 p. 35-45

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抄録

 2013 年12 月5 日,日本商工会議所と一般社団法人全国銀行協会より「経営者保証ガイドライン」が公表され,2014 年2 月1 日から適用が開始されている。この「経営者保証ガイドライン」は,中小企業融資における経営者個人保証が中小企業の発展の妨げとなるとの問題意識から策定されたものである。「中小会計要領」は中小企業の財務健全性を高め,融資がスムーズに行われるよう策定されたものであり,両者ともに不動産等の担保中心の中小企業融資に一石を投じるべく策定されたものである。

 そこで本稿では,「経営者保証ガイドライン」の策定経緯,策定目的を述べ,2015 年度の中小企業融資の実態と「経営者保証ガイドライン」に対する税理士の意見,金融機関の意向を明らかにしている。

 さらに中小企業融資における「経営者保証ガイドライン」と「中小会計要領」の意義を明らかにし,今後の「経営者保証ガイドライン」適用拡大のための提言を行っている。

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© 2016 中小企業会計学会
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