日本テスト学会誌
Online ISSN : 2433-7447
Print ISSN : 1880-9618
一般研究論文
TIMSS2007 算数データの日本人サンプルを用いた認知診断モデルと項目反応理論モデルの比較
山口 一大岡田 謙介
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ジャーナル オープンアクセス

2017 年 13 巻 1 号 p. 1-16

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抄録

近年,学習者の理解・知識習得状態を推定することができる認知診断モデル(cognitive diagnostic models; CDM)に属するテストのモデルが数多く開発されている。CDMの実用化を図る上では,どのモデルがどのようなデータに適しているのか,実際のテストデータを用いた実証的な比較検討が必要である。そこで本研究では,TIMSS2007 の日本人データを用いて,次の3 点を検証することを目的とした: (1)IRT モデルよりCDMの当てはまりがよいという海外サンプルでの先行研究の知見を再現すること (2)複数のCDM間で実データに当てはまりのよいモデルを比較検討すること,(3)そのモデルが当てはまりのよい理由を議論・考察すること。結果として,1 点目については先行研究の結果が日本でも再現され,2 点目についてはCDMの中でもReduced RUMがAIC,BIC の観点から当てはまりがよいことが示された。3 点目の理由としては,TIMSS2007 では問題の正答のための多くの認知要素が必要であったことが考えられた。さらに,能力の間の交互作用が必要である項目が多かったことも原因と考えられた。

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